Shibaのブログ

日々の読書や芸術鑑賞、旅行などの体験を記録するとともに、その中で感じたこと、考えたことを記述します。

贖罪の記

僕はまた、罪を犯してしまいました。申し訳ありませんでした。もう何度目であるかわかりません。僕がいると、まわりの人たちが迷惑してしまいます。生まれてきたことが、間違いであったのだと思います。 僕は、自分の行為に責任を取らねばなりません。しかし…

涙の深海、永遠

君の胸の深さはどれくらいか その涙の海に空いた穴は どれくらいの大きさなのか 僕にはわからない 僕の胸の涙の深海は 君よりも浅いだろうか そんなこと考えても わかるはずはないのに 僕らは通じ合うけれど 違う人間だもの わかりあえないはずだ それでも寄…

禁断のワルツ

日本酒を出した わかばの煙草も 抗うつ剤と眠剤 今から踊る 禁断のワルツ 序章 酒を飲んでいる俺は かっこ悪い だらしなく過ぎ去る 酩酊の小時間 禁断のワルツ 第一章 煙草を吸っている俺は かっこ悪い くゆらす煙の先の 心地よい浮遊感 禁断のワルツ 第二章…

「琵琶行」と沈黙、「バーント・ノートン」と静止

以下は、大学二年の時に受けた、中国文学の授業の試験に対して、私が書いた回答である。 題:「琵琶行」と沈黙、「バーント・ノートン」と静止 「琵琶行」は、白居易が左遷された先の江州で、ある女性の奏でる琵琶に感動し、その女性の身の上に自らを重ねて…

きっと、何度でも

僕は君のことを考えると いつも泣いてしまう 溢れた涙が大地に落ちて そこから芽が出て きっと、花が咲く 君を不安にさせてごめん 君に心配をかけさせてごめん 僕はろくでもない男だ でも君はそんな僕を 愛してくれたね 生命には必ず終わりがある 僕もいつか…

1000年前から

夕暮れの中を汽車に揺られていた大きな荷物に寄りかかって僕の身にはそぐわないほどの愛の喜びを抱いてずっと苦しみの中にいた孤独の苦しみの中にいたんだ果てしなく続く砂漠を僕は一人で歩いていた胸に空いた穴からは絶えず砂が吹き出ていた埋まらない想い…

さざめきの記憶

涙の川を渡ると そこには何があるだろう 遠い悲しみの記憶 雲が立ち込めた空 僕はこの世界に いらない人間なんだ ずっとそう思ってた 今もそう思ってる あの日愛されなかったこと 痛まないけど消えない傷 繰り返す夏の日の午後 今の僕はどこに 世界には僕し…

四畳半の檻

光の当たる午前七時 空白の郵便受け 珈琲の仄かな香り 新しく至る朝 だから 僕は醜い もう僕を見ないでくれ 青空をゆく雲の流れ 街を渡る温かい風 揺れる背高草の影 帰れない夏がある だから 僕は醜い もう僕を見ないでくれ 飲みほした酒の瓶 乾いていく瞳の…

休日、生と死、そして精神について

注:この文章は、私が約一年前(2019年7月21日)に書いたものを推敲したものである。つまり大学3年生の私の文章である。ゆえに現在の私の思想とは異なった部分もある。注意されたし。 もうしばらく自分の文章を書いていなかった。自分で文章は書いていたし、…

その「よろめき」

僕はそれを、「よろめき」と名付けている。 その感覚は、恐らく多くの人が味わったことのあるモノではないかと思う。忙しなく生きている日常の中で、ふとした瞬間にそれは訪れる。それは例えば、学校や仕事の終わりに、疲れて駅のホームで電車を待っている時…

時の漣

汀の心を撫でる 淡い空色の残像 寄せては返す夢 囚われた過去の夢 汀の心へ添える 脆い鈍色の記憶 退いてゆく故郷 遠く懐かしき故郷 汀の心に刺さる 強い黒色の荊棘 忘れられぬ罪悪 裏切りと涙の罪悪 汀の心は求める 仄い黄金の曙光 受け取った愛情 与え合う…

一人の午後

最近の僕といえば、危険な行為で自分の生命を犯すことでしか、満足を得られない。死にたいのかもしれない。抗うつ剤のおかげで死にたいと思わなくなったけれど、無意識は死を求めているのかもしれない。チャンポンをよくする。チャンポンっていうのは、僕の…

溶けていく、体

自傷をすることでしか 生きている実感がつかめない 心にぽっかりと穴が開いていて そこから常に血が流れている 僕はいつもその穴にナイフを突っ込んで その膿と血をえぐりだす 吹き出す感情 減っていく人間の実存 今日もまた雨ばかり降っている 日の光にあた…

心の財産

人生とは、心にある財産を 支払って生きていくものだと 僕を救ってくれた ある男が言っていた 心の財産は 小さいころから たくさんの愛情や真心を 人から受け取ることで 増えていくものだと 僕は思っている 心の財産は 自分の力で増やすこともできる 芸術に…

つばさをください

鬱になると朝の輝きが 苦しみに変わる カーテン越しの朝の光が 僕の精神を殺しにかかる すべて美しきものが 僕の精神を殺しにかかる それでも前を向いて 生きなければ 生きなければいけないのだろうか 色々な向精神薬の 副作用で内臓がめちゃくちゃに なって…

曲雨

雨も曲がってゆくのだ この小さく歪な街では 目の前に尾を引く光がゆらめく 酒と薬で幻覚もどきを 見ていてはまた外へ目をやり 思う 歪んでしまったのは 僕なのか 世界の方なのか 人間も終わってゆくのだ この小さく冷たい街では 通りには機械のように泥人形…

禁罪

「あなたがたはまた荒野で、あなたの神、主が、人のその子を抱くように、あなたを抱かれるのを見た。あなたがたが、この所に来るまで、その道すがら、いつもそうであった。」(申命記第一章三十一) ああマリア様 僕は今罰を受けています 生まれたことに対す…

ここ最近の状態について

前の水曜日に、精神科に行った。そこでは、以前受けた文章完成テスト(SCT)の結果のフィードバックと、通常診察が行われる予定だった。そのフィードバックのためのカウンセリングを受けたのだけど、なんだかよくわからなかった。テストの結果も明確な疾患名…

短歌十首・皐月水無月

1、高崎、白衣観音の御足下にて。三首 山の屋に鳴る一輪の風車 心吸はれし その一輪に 名も知らぬ高山草の背の高き 花の小さき そを眺め居る 観音の御足のもとの店座敷 山風に鳴る 初夏の風鈴 2、倦怠の実家の昼。三首 隣家の犬も寝さしむ蒸し暑さ 皐月の…

ポーラスター

子ペンギンは、今日も北極星を眺めていた。そして帰らぬ父親のことを思った。父は地吹雪の中を出ていった。餌を取りに行ったのだった。月と日が過ぎ行くのを、幾度数えただろう……。母親も自らも飢えていた。飢えてなお、父親を信じる思いだけで生きていた。 …

2020年東京都知事選挙に寄せて

2020年7月5日、本日は東京都知事選挙の投票日です。それに寄せて、僕が思うことを少し述べようと思います。 今や国民的漫画となった尾田栄一郎『ワンピース』第10巻第90話に、僕の一番好きな名言があります。小さなコマで、あまり注目されるような場面ではな…

あの夜のこと。命のこと。(全編)

僕が最近、いつでも尾崎の話をしていて、もう聞き飽きたよと思う人もいるだろう。それはその通りだと思う。熱狂的なファンみたいになってしまって、少し気持ち悪いかもしれない。それはわかってる。でも、僕がそれだけ尾崎に心酔するのには理由がある。 あの…

あの夜のこと。命のこと。6

祖母がお茶を出してくれた。祖父母は僕を見て、心配をしてくれた。でも、必要以上に色々と詮索することはなかった。僕はお茶を飲みながら、少なくともここには僕の居場所があると思った。ただ僕という存在を、そこに置いてくれる場所。そんな場所が僕には必…

あの夜のこと。命のこと。5

街は朝へと向かっていく。世界はまた僕を殺せなかった。いや、僕を殺せなかったのは僕自身かもしれない。午前三時半、僕は頭痛に耐えきれなくなって家を出た。どのみち眠れないのだ。疲労は限界だし、それでもここではないどこかへ行きたかった。僕は自分で…

あの夜のこと。命のこと。4

やはり家に入ろうともう一度玄関の前まで行ったとき、家の中から笑い声が聴こえた。父と母のものだった。テレビ番組を見て笑っているのだろう。僕はなんだか、もう心が無くなるような気持がした。僕はその日、両親への抵抗のために、家族の連絡ラインを無言…

あの夜のこと。命のこと。3

車内は北へと帰る人で満たされていた。満員ではなかったが、座席は大方埋まっていた。こんな夜遅くまで、働き、皆必死に生きているのだと思うと、僕は言い知れぬ悲しみに胸がおおわれた。尾崎がイヤホンの奥で泣くように歌っていた。疲れた人々の横顔が、僕…

あの夜のこと。命のこと。2

僕はこの道を南に、ひたすら南に行けば、やがて海に着くだろうと思っていた。海が好きなわけではなかった。でも、そこまで行けば何か見えるだろうと思った。僕はもう丸二日寝ていなかった。食事も一日一食くらいしか食べてなかった。だから、足取りは不安定…

あの夜のこと。命のこと。1

僕が最近、いつでも尾崎の話をしていて、もう聞き飽きたよと思う人もいるだろう。それはその通りだと思う。熱狂的なファンみたいになってしまって、少し気持ち悪いかもしれない。それはわかってる。でも、僕がそれだけ尾崎に心酔するのには理由がある。 あの…

みんなへ

みんなへ。 僕はこれを一人ぼっちで書いてます。 でも、今は前よりは一人ぼっちでは無くなったと思います。 最近、色々な問題で苦しんでいると思います。 これを乗り越えて、僕の人生は始まっていけるような気がします。 みんなへ。 みんなには助けてもらっ…

今日、尾崎のアルバムを買った。たぶん三日くらいで届くだろう。 僕は尾崎をしらない。尾崎っていうのは、尾崎豊のことなんだけど。会ったこともないし、ライブにも行ったことはない。僕が生まれる前に、尾崎は死んだ。曲だって、テレビか、YouTubeに合法な…